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鍼のズーンという響きは何?

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鍼でズーンとする感覚、鍼が刺さっているなぁと感じる感覚はなんであるかを解説したいと思います。鍼灸の先生からは「ツボに入っている証拠」とか「深部感覚」とか「特気」とか、といったことを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?人によっては「痛い」とも感じたり、「怖い」といった感じ、また「効いている!」、「痛いところに届いている!」といったことをいう方もいます。
今回は「鍼の響き」について、あくまでも個人的な考えもあるので参考になれば幸いです。

目次

鍼の世界では特気を得る

特気(トッキ)と言ってツボに入った時に感じる感覚であると聞いたことがあります。体には経絡と言ってそれぞれの臓器に対応した線路のような流れがあり、その途中にツボがあります。ツボはちょうど線路にある駅のようなものです。駅も主要なターミナルでは大きい駅もあれば、小さい駅もありますので、ツボでも有名なツボからあまり有名ではないツボもあり、それによって使われる頻度も異なってきます。

この駅が渋滞していると、ツボは詰まっている、痛い、反応点といった状態が現れてきます。
・痛ければ詰まっている
・痛くなければ詰まっていない
と考えることが基本となっており、よく中国の先生から教えてもらったものです。

生理学では、体性感覚の深部感覚

皮膚に下には順に、表皮⇒真皮⇒皮下組織となっています。表皮は垢こすりで出てくる部分。皮下組織は脂肪層で、皮下組織の下は筋肉・骨になります。

生理学第2版より (石歯薬出版)

筋肉は筋膜という膜で詰まれており、筋肉の端は腱がつながり骨に繋がっています。腱にはゴルジ腱器官という筋肉の張力や長さを調整する受容体があり常に長さや張力をコントロールしています。

この筋膜や腱に鍼が刺さると、筋膜や腱に入っている感覚受容器や自由神経終末が反応して感覚刺激がうまれます。鍼で筋膜を破ると、筋収縮が起きることがあり、この時にもズーンといった刺激を感じることからも想像できます。ちなみに筋収縮は、神経と筋肉の接合部であるモーターポイントと言われる場所のほうが起こりやすと言われてます。

また、鍼の手技で鍼を操作すると筋繊維または筋膜か何かが絡んだような感覚が手に伝わります。この時に鍼を刺されている側には響きを感じている方が多く、やはりこの経験からも筋膜や腱の入っている感覚受容器や自由神経終末が反応して感覚刺激が起きていることが想像できます。ただ、この刺激感は筋肉や筋膜に触れていない場合でも起きることがありますので、筋肉や筋膜に関わらず、受容器が反応して刺激感を引き起こしていると考えられます。

響きはいいの?悪いの?

コリに効いて気持ちいいと思えば、人によっては「ズーン」という響きは気持ちいものでしょう。ただ、鍼がなんだかわからなくて、恐怖が先行すれば「ズーン」という響きは気持ちいい良いものではなく「痛い」「怖いもの」と認識されてしまう可能性はあります。

そのように考えると、「ズーン」は明確に体の痛いところに刺激が伝わり、そこでも白血球の活動や中枢での抑制作用が働き、痛みが緩和されることが期待できるためとても良いと考えられます。

しかし、恐怖や辛さや過度のだるさが生まれるようなら、悪いわけではないでしょうが、過剰な刺激となるでしょう。人によっては「ズーン、ズーン、ズーン」が効いたり、「ズ、ズ」ぐらいで効く人がいたりするということです。「ズ」で楽になるなら「ズ」でいいと考えています。

オーバート―ズ

この言葉を鍼灸の学生時代には聞いた覚えがないのと、教科書でも見た覚えがありません。もしかしたら臨床実習時に担当の先生から聞いたかもしれませんがはっきりと覚えがありません。

ただ、お薬でも過剰摂取をすると副作用があるように、鍼灸でも過剰な刺激は一時的にだるくなったり刺激感が残ったりといったことはあります。好転反応とも言われ、体が回復するように働きかけている状態と言えるため心配はいりません。鍼をすると副交感神経が優位になることが多く、一時的に眠気がきたりだるさが出るのでこういったことが言われます。

そのため、私の個人的な考えでは、あくまでもお薬と同じように、その人によって効果が出る量というものがあると考えています。お薬でも大人用と子供用では薬の量が異なります。鍼灸の刺激でも、鍼一本でいい人もいれば、鍼100本でいい人もいると考えます。

鍼は太さの違う鍼や長さの違う鍼、そして電気刺激や鍼の手技による刺激など様々な刺激のパターンがります。その中で最適な刺激量を届けるということが大切だと個人的には考えております。

まとめ

ということで鍼の「ズーン」といった刺激については理解が深まったでしょうか?恐怖感がある人も意味のあるズーンであれば少し、少し恐怖感がなくなりましたでしょうか?

コラムでは少しずつ、会話の質問されたことについて解説していきたいと思います。

院長:後藤

ズーンは効いていると思っても大丈夫です。今後もコラムで患者さんからの質問をご紹介していきます。


院長:後藤

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